お客様から「屋根から何か落ちてきたので、見てほしい」とご相談を受けました。
現地にお伺いし調査した所、屋根のてっぺん部にある瓦(棟瓦)がズレていました。
また、のし瓦が欠け、棟瓦のお尻の部分にあたる棟尻の漆喰が剥がれていました。
「何か」とは、のし瓦の欠片か、棟尻の漆喰部分であることがわかりました。
お客様からのご要望で、のし瓦を5段から2段へ減らし、積み直しを致しました。
ここで、棟瓦の修繕方法は3パターンあるのでご紹介いたします。
積み直し工事
既存の瓦屋根の棟部分を解体し、1から新しくまた瓦を積み直して修繕を行う施工方法。
メリット
既存の瓦を使用するので費用は安く抑えられます。
デメリット
強い地震があった場合、棟瓦やのし瓦が崩れ、雨漏り被害の原因となる恐れがあります。
積み替え工事
積み直し工事と途中まで同じで、既存の瓦を使用せず、新しい瓦を使用する施工。
メリット
新品の瓦を使用するので、変形などは少なく綺麗になります。
デメリット
新品の瓦を用意するため、積み直し工事より費用は割高になります。
耐震ハイロール工法
福島県や熊本県など大きな地震の被害に遭われた際に、話題になった瓦の施工方法です。
メリット
漆喰を使用せず、棟瓦を積む新しい工法で、耐久性・通気性に優れています。
乾式工法で、漆喰を使用しない事と熨斗瓦(のし瓦)を使用しないです。
そのため、屋根にかかる重量の軽減になります。
また、金具で棟瓦を固定するため地震で家が揺れても棟瓦が崩れる心配がありません。
デメリット
既存の棟瓦が使用できなくなる事と新しい瓦が必要になります。
そのため、湿式工法(積み直し工事)よりも費用がかかってしまいます。
施工後は、「屋根の上から落ちてきたのに気づけて良かった。丁寧な仕事をしてくれてありがとう。」
と安堵のお言葉をいただきました。