〜プロが教えるお役立ちコラム〜
昔の木造住宅でよく用いられた簡易的な屋根下地工法の一つで、特に50年以上前の日本家屋では「トントン葺き(とんとんぶき)」と呼ばれたものが主流でした。
今回は、「トントン葺き(とんとんぶき)」の解説をしていきます。
トントン葺きとは
木造屋根の野地板(のじいた)を細い板材でトントンと並べて打ち付けた構造のことです。
名前の由来は、大工が板を「トントン」と音を立てながら釘で打ちつける作業音から来ています。
トントン板は、厚さ9〜12mmほどの杉板や松板を使用。
隙間を空けながら打ち付けられていることが多く、今の合板(構造用合板)ほど気密・強度はありません。
トントン葺きは「軽い・通気性がある」一方で、現代の基準では構造・防水・断熱がすべて不足しています。
トントン葺きの問題点
- 強度が不足
→ 下地が細く、合板のように面剛性がないため、屋根が波打つことがある。 - 雨漏りリスクが高い
→ 隙間が多く、ルーフィングが古いと水が入りやすい。 - 断熱・遮音が弱い
→ 金属屋根への葺き替え時に「雨音が響く」などのトラブルが起きやすい。 - 下地が腐りやすい
→ 土葺きや湿気により、板が腐食しているケースが多い。
リフォーム時のおすすめ対策
古いトントン葺き屋根をリフォームする際は、以下のような改修が最適です。
対策内容 | 目的 | 詳細 |
---|---|---|
野地板増し張り(構造用合板12mm) | 強度アップ | トントン板の上から構造用合板を張って面剛性を確保。 |
ルーフィング(例:タディスセルフ・改質アスファルト) | 防水 | 防水性能アップ。 |
遮音・断熱材の挿入 | 雨音・熱対策 | グラスウール・アクアフォームなどを小屋裏に施工。 |
通気構法の採用 | 結露防止 | 垂木間に通気層を設け、熱気・湿気を逃がす。 |
編集部からのひとこと
昔ながらのトントン葺きは、当時の職人技が光る「日本の知恵」です。
しかし、気候が厳しくなった今、そのままでは家を守りきれません。
トントン葺きは一見古く見えますが、木の家としての通気構造が生きています。
そこに現代の技術を加えれば、「昔の家の良さ × 今の快適さ」が両立できます。
長く快適に住むために、今こそ見直すタイミングかもしれません。
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