〜プロが教えるお役立ちコラム〜
たとえば、屋根工事の見積もりが2社から届いたとします。
金額はそれほど変わらない。
ただ、片方には「10年保証」、もう片方には「30年保証」と書いてある。
「同じくらいの金額なら、30年保証のほうが安心かな」
そう思いますよね。
私も、初めて屋根工事を頼む立場なら、まず長いほうに目がいくと思います。
ところが、説明を聞いてみると、10年は「施工に関する保証」、30年は「屋根材の決められた不具合に対する保証」だった。
これでは、数字だけでどちらが手厚いかは比べられません。
「30年保証だから、その間に雨漏りしても全部無料で直してもらえる」とは限らないんです。
屋根工事は、そう何度も経験するものではありません。
材料の保証と工事の保証が分かれていること自体、知らなくても当然だと思います。
だからこそ、契約前に一つ聞いてみてください。
「もし工事のあとに雨漏りしたら、この保証でどこまで対応してもらえますか?」
今回は、この質問への答えをきちんと確かめられるように、保証の対象や条件、見積もりで見ておきたいところをお話しします。
屋根工事の保証は、まず「材料」と「施工」を分けて見る
保証書は細かい文字が多く、読むのが大変だと思います。
最初から全部覚えようとせず、まずは誰が何に対して保証するのかを見てください。
| 保証の種類 | 主に確認する対象 | 聞いておきたいこと |
|---|---|---|
| メーカーの製品保証 | 屋根材の穴あき、赤さび、塗膜など、製品ごとに定められた不具合 | この商品の、どの症状が対象ですか? |
| 工事会社の施工保証 | 工事会社が約束する範囲の施工上の不具合 | 今回工事した場所から雨漏りしたら、どう対応しますか? |
「雨漏り保証」という名前を使っている会社もありますが、その名前だけで対象範囲が決まるわけではありません。
どの工事の、どの原因による雨漏りを対象にするのか、書面で確認します。
メーカー保証は、屋根全体を丸ごと保証するものとは限りません
屋根材に長い保証が付いていても、下地、防水紙、棟の板金、外壁との境目まで、全部同じ条件で保証されるとは限りません。
屋根は一枚の材料だけで雨を防いでいるわけではないためです。
表面の屋根材、その下の防水紙、雨水を外へ流す板金など、それぞれに役割があります。
「この屋根材は何年保証ですか」に加えて、「材料以外の部分は、どの保証で見てもらえますか」と聞くと、話がわかりやすくなります。
施工保証は、今回の工事範囲と一緒に確認する
施工保証を見るときは、見積書と並べて読むのがおすすめです。
たとえば、棟板金だけを交換する工事と、屋根全体を葺き替える工事では、手を入れる範囲が違います。
棟だけを直した場合に、触っていない谷板金や外壁まで保証されると考えると、あとで話が食い違ってしまいます。
「今回直すのはここまで。こちらは既存のまま残す」
この区分を写真や図で説明してもらうと、ご自宅のどこが保証対象になるのか、つかみやすいと思います。
同じ屋根材でも、保証年数が分かれていることがあります
具体例として、アイジー工業のスーパーガルテクトを見てみましょう。
メーカーの公式案内では、次のように保証が分かれています。
| 保証項目 | 案内されている期間 |
|---|---|
| 塗膜 | 15年 |
| 赤さび | 20年 |
| 穴あき | 25年 |
※スーパーガルテクトの例です。スーパーガルテクトフッ素など、別の商品では内容が異なります。
各保証には適用条件があります。
アイジー工業の商品案内
ここで、いちばん長い「25年」だけを見てしまうと、塗膜も赤さびも同じ期間だと思ってしまいます。
さらに、この商品の塗膜保証は、色あせまで保証する内容ではありません。
メーカーは、保証対象となる塗膜の症状を別に定めています。
スーパーガルテクト・スーパーガルテクトCの保証規定
「塗膜保証があるなら、ずっと新品の色のまま」ということではないんですね。
商品を比較するときは、保証年数と、その横に書いてある対象をセットで見る。
これだけでも、かなり読み違いを減らせます。
雨漏りしたら、保証期間内なら無料で直してもらえる?
ここが、いちばん気になるところだと思います。
答えは、雨漏りの原因と、契約した保証の範囲によります。
期間内であることだけで、無料修理が決まるわけではありません。
たとえば、屋根工事をしたあとに天井へ雨染みが出たとしても、入口が屋根なのか、外壁なのか、窓まわりなのかは調べる必要があります。
一方で、工事との関係を調べないまま「そこは保証外です」と言われても、納得しにくいですよね。
私なら、見積もりの段階でこう聞いていただきたいです。
「もし工事後に雨漏りしたら、まずどこに連絡して、どうやって原因を調べるんですか?」
保証対象かどうかの説明に加えて、調査から修理までの進め方がわかると、工事後のことを想像しやすくなります。
材料代だけでなく、足場代や作業代も確認する
屋根の修理には、交換する材料のほかに、職人の作業代や足場代が掛かることがあります。
保証を使う場合に、どの費用まで含まれるかは確認しておきたいところです。
- 原因を調べるための調査費
- 不具合のある部分の材料代・施工費
- 修理に必要な足場代
- 既存材の撤去・処分費
- 雨漏りで傷んだ天井や壁、家財の扱い
これらがすべて自己負担になる、という意味ではありません。
逆に、すべて無料とも限りません。
「保証の対象になった場合でも、こちらが負担する費用はありますか」と聞いておけば、材料交換だけなのか、工事まで含むのかを確認できます。
保証対象外と判断されたときの調査費も、あわせて聞いておくとよいと思います。
保証書で読み飛ばしたくない条件
保証書には「免責」という言葉が出てくることがあります。
簡単にいうと、その保証では対応しない条件のことです。
こうした条件があること自体は、不自然ではありません。
大事なのは、自分の家や予定している工事に関係する条件を、契約前に知っておくことです。
海に近い家は、住所に合う保証かを確認する
金沢市周辺でも、海からの距離や周囲の環境は、お宅ごとに違います。
金属屋根を検討するなら、「この住所でも、説明された保証が適用されますか」と聞いてください。
「北陸で使える材料か」と「この場所でメーカー保証が付くか」は、それぞれ確認したい点です。
先ほどのスーパーガルテクトの保証規定にも、海岸線からの距離や塩害など、環境に関する適用条件が記載されています。
具体的な可否は、その商品に適用される規定で確認します。
アイジー工業の保証条件
強風や雪のあとに壊れた場合は、原因の確認が必要
台風や雪などによる損傷を、対象外としている保証もあります。
先ほどのメーカー規定にも、異常な気象条件などに関する除外事項があります。アイジー工業の保証規定
ただ、「風が吹いたあとに壊れた」というだけで、施工との関係までわかるわけではありません。
固定の状態なども含めて、何が原因だったかを確認する必要があります。
お客様が先に「これは自然災害だから保証は使えない」と決めてしまわず、まず工事会社へ状態を伝えてください。
点検やメンテナンスが条件になっていないか
保証の継続や延長に、指定の点検・メンテナンスが必要かどうかも確認しましょう。
もし条件があるなら、「何年目に何をするのか」「点検は無料か」「補修や再塗装は別料金か」まで聞いておきます。
保証を維持するための費用もわかれば、将来の予算を考えやすくなります。
長期保証が付いていても、その間は一切点検しなくてよい、という意味ではありません。
保証期間と、屋根を維持していくための手入れは分けて考えてください。
太陽光パネルの後付けや、別の業者による工事
屋根工事のあとに太陽光パネルやアンテナを取り付ける予定があるなら、先に伝えておきましょう。
固定方法や屋根への加工、設備による影響によって、保証の扱いを確認する必要があるためです。
「別の業者が触ったら屋根全体の保証が必ずなくなる」と一律には言えません。
どの作業が、どの部分の保証に影響するのかを、元の工事会社と設備の施工会社に確認します。
将来取り付けるかもしれない、という段階でも、その予定は伝えておいて損はありません。
屋根カバー工法や部分補修は、残す部分にも目を向ける
屋根カバー工法は、既存の屋根を残して新しい屋根を重ねる工法です。
そのため、新しく施工する屋根材や防水紙と、既存のまま残る下地などの扱いを、分けて確認したいところです。
新しい材料に保証が付くからといって、残した部分まで自動的に同じ保証になるとは限りません。
「下地はどのように確認しますか」「既存部分が原因だった場合は、どういう扱いになりますか」
保証の話と一緒に、工事前の調査内容も聞いてください。
部分補修の場合も同じです。限られた場所を直す工事では、保証する範囲や期間を限定したり、状態によって長期保証を付けられなかったりすることがあります。
保証が短いという理由だけで、その補修が悪いとは限りません。
なぜその範囲・期間になるのか、説明がつくかどうかを見ていただきたいです。
見積もりのときは、この6つを聞いてみてください
細かい規定を最初から読み込むのは大変です。まずは次の質問からで構いません。
| 聞くこと | 確認したい中身 |
|---|---|
| この年数は、何の保証ですか? | 材料・施工の区別、対象になる症状 |
| 今回の工事では、どこまで保証されますか? | 工事した範囲と、既存のまま残す範囲 |
| 保証で直すとき、自己負担はありますか? | 調査費・足場代・作業代などの扱い |
| 保証が使えないのは、どんなときですか? | 立地、災害、手入れ、後付け設備などの条件 |
| いつから保証が始まり、手続きは誰がしますか? | 開始日、登録の要否、保証書の発行 |
| 不具合が起きたら、どこへ連絡すればよいですか? | 連絡窓口、調査の流れ、必要な書類 |
アイジー工業のように、建物の登録を前提として保証を行うメーカーもあります。
保証が付くという説明だけで終わらず、必要な手続きが済むところまで確認しておきましょう。
アイジー工業「製品保証」
最終的な保証書が工事後に発行される場合でも、契約前に見本や保証規定を見せてもらえるか聞いてみてください。
工事が終わったら、保証書、契約書、見積書、施工写真を一緒に保管しておくと、あとで相談するときに役立ちます。
引っ越しや売却の予定がある方は、所有者が変わった場合の扱いも確認しておきたいところです。
保証期間中に気になることが起きたら
天井に雨染みが出た、屋根から音がする、板金が浮いて見える。
そんなときは、保証が使えるか自分で判断する前に、工事会社へ連絡してください。
伝えるのは、気づいた日、場所、雨や風の状況です。安全に撮れる場所から写真を残しておくと、説明がしやすくなります。
確認のために屋根へ上る必要はありません。
また、自分でコーキングをしたり、別の業者に本修理を頼んだりする前に、保証の窓口へ連絡しましょう。
手を加えると、元の状態や原因がわかりにくくなることがあります。
ただし、雨水が入り続ける、部材が落ちそうといったときは、安全確保と被害を広げない対応が先です。
応急対応が必要なら、その前後の写真や費用の記録を残し、保証窓口にもできるだけ早く伝えてください。
「何年保証ですか」の、もう一歩先まで
長い保証は、屋根工事を選ぶうえで安心材料になります。
ただ、私としては、お客様に「何かあったら、どこへ連絡して、どこまで見てもらえるか」までわかったうえで工事を決めていただきたいと思っています。
「保証の説明を聞いたけれど、材料と工事の違いがよくわからなかった」
「部分補修を考えているけれど、その場合はどこまで保証されるのか知りたい」
こういうご相談でも構いません。
ホクリクルーフへのご相談では、ご自宅の屋根の状態や工事内容とあわせて、保証について気になることもお聞かせください。
保証期間や対象は、採用する商品や施工範囲によって変わります。
年数だけを聞いて決めず、今回の工事の条件を一緒に確認していきましょう。
金沢市周辺で屋根修理・屋根カバー工法・葺き替えをお考えの方は、電話・LINE・お問い合わせフォームからご相談いただけます。
屋根や外壁、雨樋の不調は、早期発見・早期対処がコストを抑える鍵です。
金沢市・石川県を中心に対応しているホクリクルーフでは、
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